2009/04/29

上顧客

こんな話を聞いた。
ある作家さんが陶器市の際に、仲の良い友人宅に宿泊する。
仲の良い友人の1人に陶器市や展覧会でよく器を買ってくれる人がいる。
僕は「友人・仲間」という関係の中で宿泊したり、家を行ったり、来てもらったりしているのかと思っていた。

しかし、その作家さんとよく知る人が「よく買ってくれる上顧客を大切にして偉いよね。」っと言った。
よく意味がわからなく、「上顧客とか思っていなさそうに見える。」と返したところ、
「いや、そう思っていると思うよ。」と言う。


僕の認識では、その作家Aさんは陶器市の機会に、普段から親交のあり、Aさんの器をよく買ってくれるBさんのところに宿泊するのは「友人・仲間」という関係の元、家に泊まりにいっていると思っていた。
しかし、そのAさんと親交の深いCさん曰く、泊まりにいくのも含めて、よく買ってくれる顧客を大切にしている行為だという。確かにおもてなし好きのBさんはAさんが泊まりに来るのは、実際喜ぶし、そういった場所でお互いの関係を築いていると思う。


ただ、僕はAさんがBさんのことを「上顧客」っと思っているという話が意外でよく分からなかった。実際CさんはAさんとかなり深い関係でもあるから、Aさんを深く理解した上で言っているのだと思うが、初めはよく買ってくれる上顧客だから泊まりにいくっというように聞こえた。
その後「たぶん分かってないと思うから、頭で考えないでね」とCさんが一言。


Aさん、Bさん、Cさんそれぞれが、お互いにある程度親交があり、僕から見ると友人・仲間っといった関係に見えるのだが、作家ではない僕はここでいうところの「上顧客」の意味がよく分からない。
多分、普段買ってお金を落としてくれていることへの感謝の気持ちのようなものなんかなっと。



作家は作って売ることで生活をしている。作家に限らず商売というのは売れないと意味が無い。作家の立場になったら、やはり買ってくれる人はありがたい存在だし、大切にすべき存在であるのは当たり前だと思う。


その反面「上顧客」というは、もし買わなかったらどうなるんだろうと考えた。
よく来てくれるが見て買わずに帰る人は「上顧客」にはならないのだろうか?ならないよな。
少なからず、好きで来てくれていて、経済的事情などで買う事はできないが好きだという共通の想いがそこにある。


売る側はお客さんの「好き」という想いだけに答える事はできないのか。
自分が言わんとする事はきれいごとなのは十分わかっているが、売り買いの関係で成り立つ「上顧客」という言葉に違和感が生じた。買ってくれる人=お客さん、顧客さん、売り手と買い手である前に人と人やんっと思う。


そのお店が好きでよく来てくれるお客さんに対して、「あの人はよく来てくれるが、いつも買ってくれない。どーせ買わない。」っと売り手が思うのは仕方がない事でもあるが、なんか悲しい。
別に僕は自分で商売をしている訳じゃないから、いざ自分で商売をしてみないと分からない事が多いだろう。



よく行く場所に、那須のショーゾーカフェがある。
車で2時間程かかるのだが、その場所の雰囲気はスゴく良い。
スタッフが皆長く働いている人が多いようで、人が作り出す雰囲気がスゴく好きだ。
ショーゾーにいくと「こんにちは」っと言って迎えてくれる。
「いらっしゃいませ」の前に「こんにちは」っと言ってくれる事が多いのだ。
僕はお客だが、最初に「こんにちは」と人と人の挨拶からそこは始まる。
カフェだからお茶をしないなら入る事はできない。
小さなことだけど、また行きたくなる。



話はズレて、自分の中でまだまとまっていない事で、よくわからんくなってきた。
売り手とお客さんの関係って何なんだろう。
もう少し考えないと。

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